タオルの作り方10か条の「第9か条」は、作りたいタオルの「検品・加工(包装)・検針」の方法と場所を決めます。
タオルの最終仕上げ ①検品、②加工(包装)、③検針方法を指示する
タオルは長い生産工程を経て最終の段階で検品・加工(包装)・検針を行い良品だけを出荷します。その為に、以下の3つの指示をして、工場としっかり握ることが重要です。
①検品方法
工場にて生産工程を終了した商品は、仕上げ場にて「検品基準書」に従って検品します。お客様と締結した品質基準書に従って厳しく検品検査を行い、合格したものだけを加工(包装)・検針工程へ進めます。基準外の商品は容赦なくB品としてはじかれることになります。
日本で使用されているタオルの約80%は、海外で生産されています。海外のタオル工場は、相対的に日本向けのタオル比率は低く、米国・欧州向けの検品基準とは違う事をご認識下さい。その上、日本向けの中でもの「A社」と「B社」で違うことは良くあるで、品質基準(検品基準)は明確に説明して、その基準を工場と「握る」ことが重要です。
品質基準(検品基準)を厳しくすることは簡単ですが、過剰な基準を設けることで現場が混乱することもあります。例えば、その基準に従うことでB品が異常に多く発生してしまい、納期が間に合わなくなってしまったり数量ロスが発生するのを何度も見てきました。だからと言って検品基準を甘くすることは本末転倒になりますので、工場と許容限度を「握り」、クライアントに納得していただくプロセスが必要と思います。
許容限度設定はバイヤーの腕の見せ所だと思います。
②加工(包装)方法
検品に合格したタオルを畳み、指定された包装資材に入れる作業が「加工(包装)」です。「⑧包装方法を決める」でご説明した通り、「加工(包装)指示書」に従って進行します。
この工程の次に「検針」され、段ボールに梱包され出荷します。コンテナが日本に到着するまで梱包が開けられることはほぼありませんので、最後の関所となります。この工程での最終チェックで気をつけなければならないのは、検針機が反応しない異物混入の発見です。
重大欠点になる3大欠点は、「昆虫」「髪の毛」「血痕の付着」です。加工(包装)作業時に加工員は目視による検品で発見するしか方法はありませんので、最終工程の加工(包装)で管理されなければなりません。
③検針方法
タオルは生産工程(縫製工程)の中で針を使用する場面があり、最終梱包(段ボール入れ)前に全商品を検針機に通してその安全をチェックします。日本製のコンベア検針機を使用することが主流で、ダブルヘッダーと呼ばれるベルトの上に2つの検知するバーがあるマシンを使い、細かな鉄片(金属)を鋭く感知します。
大手のタオル工場は、現場の「針管理」が徹底されており、折れた針は「断針管理台帳」によって管理され、現場で発生した折針は、100%回収復元されてから新しい針に交換されます。針管理が徹底している工場は、針が折れる前(耐久時間前)に交換していることから、検針機にて針が発見されることはほとんどありません。但し、万一に備え、検針機のメンテナンスを充分に行い、作業前はテストピースを通して検針機が正常に作動していることを確かめてから検針業務を行っています。
検品・加工(包装)・検針の場所を選定する(工場か第3社検品所か?)
検品の基準には平均値はありませんので、工場検品だけで心配の場合があります。その時は、工場で検品・検針を行ったあとに合格したタオルだけを「第3社検品所」へ送り、2重にチェックすることがあります。クライアントから必須条件の場合もあり、安全の為に実施することは良くあります。
コストは2重にかかりますが、お客様のご希望に合わせて使い分けます。
中国青島にある、日系第3社検品工場概要をご紹介します。
タオル工場で検品したタオルを第3社検品場に持ち込むとやはり工場で発見されきれなかったB品は数%発見されてきました。工場の検品のレベルや実績によって「数%」は変動しますが、安心安全を考慮して「第3社検品」を実施されるお客様は多くいらしゃいます。
工場との取引が浅い時期は第3社検品を通してB品率やB品の度合いを確認し、ある時期が過ぎたら工場検品だけに移行するお客様もいらっしゃいます。
工場にて「出荷前抜き打ち検品(AQL)」の検品を派遣することも出来ます。
検品基準は、決して緩めてはいけませんが、その工場のレベルとコストを天秤にのせて判断するべきと思います。