ワンランク上の上質感が楽しめる超長綿タオルの種類と特徴

ここ数年お客様のニーズは、ブランド重視から「上質感」を求めたり「ワンランク上」の商品を求めていらっしゃると感じています。それは商品に対してだけでなく、繁盛している「ホテル」「旅館」や「レストラン」などを見ていてもそう思えますよね。ちょっとこだわり、差別化して満足を促すものを追求なさっている。私のこだわりは「車」「時計」「黒毛和牛」などですが、ほしいな~、いいな~とカタログばかりを眺めています。

日本のタオル業界の歴史を振り返りますと、世界に類を見ないギフトが主流のマーケットが形成されて来ました。タオルにブランドをつけて、化粧箱にいれ、百貨店の包装紙に包まれて流通しておりました。お中元、お歳暮、お祝い、お悔やみなどあらゆる用途で使われていましたが、バブルが崩壊してから早30年、ビジネスモデルを転換しなければやっていけないほど時代がすっかり変わってしまいました。

タオルは、もらうものから買うものになったんです。自分好みのタオルを買うなら「ワンランク上」であったり「上質感」のあるものがほしい!

そんなタオルをお探しであれば、パイルに「超長綿」を使っているタオルをお勧めします。お肌に触れるたびに、きっと満足感を得られると信じています。

でも「超長綿」って、そもそも何?と言う方へ、超長綿に関わるエピソード、種類、特徴をご紹介したいと思います。

そもそも超長綿って何?

「超長綿(ちょうちょうめん)」とは、世界で生産されているすべての綿(約2600万トン)の内「約1.5%」(約39万トン)位の量しか収穫出来ないと言われています。この希少価値の高い綿が「超長綿」なんです。超長綿の代表的な産地は世界に5カ所あります。

超長綿は、一般の綿と比べると、しなやかで、肌さわりが良く、シルクのような光沢があり、繊維が長い事から、しなやかな肌さわりが長く続くことで「ワンランク上」「上質感」をまさに肌で感じていただける素材です。

天然繊維の「綿は、精錬・漂白することにより吸水性と乾燥性に優れた素材となるため、タオルつくりには欠かせない素材ですが、パイル糸に「超長綿」を使うことで、違った世界の使い心地に触れる事が出来ると思います。

繊維が長い綿を超長綿といいますが、アパレル業界では超長綿を100番手以上の細い糸にしてオーダーメードのワイシャツなどで使われたりします。タオルの場合の番手は、20番手が良く使われます。ワイシャツより5倍も太い糸を超長綿で作るわけです。元々長い繊維なので撚りを少なくして糸を作れることから、しなやかで、肌さわりが良く、シルクのような光沢が出ます。おまけに洗濯しても毛羽の脱落が少ないので、ワンランク上の上質感が長く継続するのが特徴です。

超長綿には歴史があり、16世紀にこの幻の綿を発見したは、イギリス人でした。英国女王をもとりこにしたとも言われ、しなやかで、シルクのような光沢がある超長綿は、綿の王様である事を付け加えておきます。

超長綿の種類と特徴

超長綿とは、一言でいえば「最上質なコットン」です。生産される場所場所で上質ながらも、それぞれにエピソードがありますので、超長綿の種類とそれぞれの特徴をご説明します。

海島綿(カリブ海西インド諸島)

別名:シーアイランドコットン

カリブ海に浮かぶ西インド諸島だけにしか育たない海島綿は、収穫高は綿全体の10万分の1と言われているレア中のレアな綿です。世界の超長綿の中でも最も繊維が長く、光沢があり、しなやかな風合いのある高級素材です。

歴史は古く、16世紀のある日、その優雅な感触と品位ある光沢で、英国女王の心をとりこにし、「ひとたび身につけた人は、その感触を、決して忘れることがない」と言われたそうです。

それ以降、海島綿は英国領の島で英国人によって実に大切に育てられてきました。そんな幻の綿は、1976年にようやく英国の独占が解け、日本への輸出が始まりました。まるでカシミヤのようなソフトな風合いの製品を生み出すことができ、しっとりと、やわらかく、艷やかな表情が魅力的です。

世界に現存するすべての超長綿は、シーアイランドコットンの血筋を引くそうです。「エジプト綿の代名詞となっているGIZAシリーズ」「インドのスビン」は子供、「ピマ」や「新疆綿」は、このエジプト綿をルーツに持つと言われているので孫という事になるのでしょうか。

海島綿は世界の超長綿の種馬だったんです!

しなやかで美しいシーアイランドコットンは、大変デリケートで育ちにくく、収穫量は綿全体の10万分の1というので、本当に希少価値の高 い素材です。日本では海島綿協会が独占買い付けを行い、組合員の会社のみに供給してきました。1業種1社と決まっているようです。

このたぐい稀なコットンは、ほんの一握りの人だけの為に花を咲かせてきましたが、流通もほんの一握りの企業にしか扱えないようです。

スーピマコットン(アメリカ南西部)

カリフォルニア州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、テキサス州

アメリカで生産されている超長綿の名前は「スーピマコットン」と呼び、「スーピマ®」は米国スーピマコットン協会の登録商標になっています。米国産ピマコットン100%で、その最上質の「超長綿」だけに表示が許可され、厳しく管理されています。

スーピマコットンは、「Superior Pima(高級ピマ)」の略語で、エジプト綿とアメリカ綿の交配によって作られました。だから、海島綿の孫にあたるんですかね。海島綿の血を引いた超長綿ですので、しなやかで、肌さわりが良く、光沢があるとても希少価値の高い素材です。

ユニクロのエクストラファインコットンなどに使われていることもありますので、肌さわりの良さや染色した時の光沢の良さとかをおわかりになられる方も多いと思います。

スーピマコットンは綿全体の1%程度と言われています。

非常に希少価値の高い綿ですので、スーピマコットンのタオルに触れてみる事をお勧めします。

新疆綿(中国新疆綿ウィーグル自治区)

別名:トルファンコットン

中国西部のウィグル自治区の新疆綿で生産されている超長綿の名前は「新疆綿(トルファン綿」と呼び、その中の最高品質綿は「146」と表示されています。中国は世界の三大綿生産国の一つで、その中でトップクラスの高級綿を生産しています。

この地域は天山山脈からの湧き水が豊富で、朝晩の温暖差が激しく良い綿が育つ環境が整っています。この特有な環境は最高級綿に必要な長い繊維の綿を育てます。また綿花の油分が多い為シルクのような艶が出るのも特徴です。手触りは最高級綿の海島綿に匹敵するようなしなやかさを持つすばらしい素材です。

残念ながら最近は、新疆ウィグル自治区の人権問題により新疆綿の使用を控える風潮が強くなってしまっていますが、海島綿にルーツを持つ新疆超長綿は、おとなりの中国で生産しているので、見逃す手はありません。

製品としての風合い、艶、肌さわりはまさに一級品ですので新疆超長綿タオルにも是非触れてみて下さい。

(注意)

新疆綿タオルは数ありますが、「超長綿」でない「一般綿」で作ったタオルの方が多いのでご注意下さい。新疆綿はすべてが「超長綿」と思いがちですが、むしろ「一般綿」の方が多く生産されていますので、新疆「超長綿」で作ったタオルかどうか?と念を押して確認してから感触を楽しんで下さい。

スビンコットン(インド タミル・ナードゥ州)

インドのタミル・ナードゥ州のみで栽培され、生産量が限られているとても希少種とされているのがスビン綿です。スビン綿が育つ条件は厳しく、南インドの一部の山沿いしか生育出来ません。昨今の異常気象によって大干ばつやサイクロンが成長を妨げる事もしばしばあり、収穫高は年々少なくなっており、超長綿全体の生産量の0.05%程度となっているようです。

スビン綿の特徴は、超長綿の中でも糸の繊維が細く長く、しなやかで強度もあり、上品な光沢があります。また豊潤な油脂分によるなめらかな肌触りも特徴で希少価値はかなり高い綿と言えます。

繊維が細いので例えばスーピマやエジプト綿に比べると、同じ糸にする時に繊維が多く含まれることになり、糸に撚りをかけないで強度を出すことが出来ます。撚りの少ない柔らかい糸で作ったタオルはしなやかで、肌さわりはよく、光沢があり、風合いが良く仕上がります。

この素晴らしい綿をもっと認知していただき、大切に将来へ持続していけるように育てていけたらと思います。

ギザコットン(エジプト)

エジプトのナイル川流域のギザ地方で生産されている高級綿がギザコットンです。ギザコットンは開発順に番号がつけられ、現在残っているのは「GIZA45」「GIZA87」「GIZA93」の3種類のようですが、特にGIZA45が最高級とされています。

GIZAコットンの歴史は、オスマントルコ時代に海島綿の種子を持ち込んで生産が始まりました。GIZA番号は生産順位つけられ、品種改良を繰り返して今日まで来ました。その中で最高級とされるのが「GIZA45」で生産量はスビン同様少なく、超長綿全体の生産量の0.1~2%程度で希少価値の高い綿です。

エジプト綿の特徴は、糸の繊維が細く長く、しなやかで強度もあり、上品な光沢があります。また豊潤な油脂分によるなめらかな肌触りも特徴ですが、超長綿の中で強度は強いと言われています。

高級ホテルのタオルにエジプト綿が使われたりしますが、業務用としての耐久性も加味されて選ばれています。

ワンランク上の上質感が楽しめる超長綿のタオルをご紹介しました。

あなたは、どのタオルがお好きですか? いろいろ楽しみながらお試しになって下さい!