⑥タオルの納期(リードタイム)を決める

タオルの作り方10か条の「第6か条」は、作りたいタオルの「納期(リードタイム)」を決めます。

タオルのリードタイムは、サイズおよびテクニックによって変わります。

オリジナルタオルを作りたいけど時間がない。そんな時リードタイムがなかなか読めませんよね。タオルの納期(リードタイム)は、工場によっても違いますが、サイズ・テクニックによって変わります。

タオルを海外で生産する場合の「納期」は、基本的に60日~90日かかります。もう少し詳細を述べます。

タオルの納期は、3つに分けて考えるとわかりやすいと思います。

①試作のリードタイム(約10~15日)

②生産のリードタイム(約45~60日)

③輸送のリードタイム(約7~10日)

です。つまり①+②+③=約60~90日かかってしまう計算になります。最低でも2か月必要になります。

想像以上に時間がかかっていますよね。あくまでも標準的なリードタイムですが、商品決定後デザインを入稿してから本生産を経て船で輸入されて指定倉庫につくまで約2~3か月かかってしまいます。

クライアントがお許し下されば良いのですが、他社とのコンペで入札する時などは担当バイヤーを悩ませる大きな要因と思います。

クライアントを納得させるポイントは、「品質なのか?」「価格なのか?」「納期なのか?」どれが一番の優先事項か確認する必要があります。3つ条件がすべて揃えば問題はありませんが、どれか一つ難しい時は丁度良い接点を見つけ出し、クライアントへ提案することがバイヤーの腕の見せ所だと思います。

筆者の経験では、「価格」と同じ位「納期」が重要で、最後に「品質(商品)」パターンが多かった気がします。競争に勝ち抜くために、どうすれば納期(リードタイム)を短く出来るかを知るために、テクニックやサイズ別のリードタイムを知っておくことは大事だと思います。

あくまで目安ですが、タオルの納期(リードタイム)をご紹介します。

リードタイムは前に述べた通り、①企画決定まで「デザイン入稿~サンプル」、②工場出荷まで「商品校了~工場出荷」、③輸送(港~指定倉庫まで)+ ロスタイムです。

ロスタイムは、工場がコントロールできない時間で、例えば「デザインの入稿が遅れる」「サンプルが到着してから校了まで遅れる」「再サンプルが急遽必要になった」「悪天候による輸送の遅延」のなどです。

筆者は、夏場何度も台風で痛い目にあってきました。夏場は必ず台風は来ると事前に考慮して、ギリギリの納期設定は要注意です。

ジャガードとシルクプリントの納期は、大体60日~90日位かかりますが、インクジェットプリントであれば30日~40日で納品出来る場合があります。

最短納期で対応できる1番のタオルは、「インクジェットプリント」です。

最短納期で対応出来る1番のタオルは、「インクジェットプリントタオル」です。

インクジェットプリントが生産出来る工場は、専用の定番生地を在庫しています。その在庫の生地を使えば驚くほど速くタオルを作る事が出来ます。

筆者の経験では、枚数は10,000枚以下でしたが、入稿~サンプル~生産~DHL輸送ですべて込みで約30日で納品したこともあります。インクジェットプリントは、型版を作成することが必要ありませんので、サンプル作成はもちろん本番生産でもクイックに対応出来ます。プリントもすばらしく綺麗に出来、かつ小ロットでも対応しますが、コストが高いのだけご承知ください。(シルクプリントの約1.5倍~2.0倍になるときあり)

インクジェットタオルのメリット、デメリットはこちらへどうぞ。

シルクプリントタオルの納期を短縮する「裏技」をご紹介します。

納期を短縮裏技は、リードタイムの中にある「ロスタイム」をどれだけなくすか?が裏技です。

シルクプリントタオルの生産は、インクジェットタオルの生産と比較すると少し多く時間がかかりますが、やり方によってはかなり納期を短縮する方法があります。

通常の正式発注(P.O発行)は、サンプル校了後なので、生産工場は「入稿~企画決定まで」の約半月間、本番生産に移れずに止まっています。

このロスタイムを埋める為に、入稿と同時にプリント用の生地をご発注いただき、生地だけスタートさせる方法です。プリント用の生地だけを先行させるだけなので、デザインが校了(ご発注)されたあとにプリント工程の生産をしますのでお客様にはリスクはありませんが、工場にとっては大きなロスタイム短縮になります。

タオルには長い工程があり、順番通りでなくても先行できるものを積み重ねることで、リードタイムを短縮する事が出来ます。

納期の短縮は、ロスタイムをどれだけ縮められるかです。

工場は商品が決定してから出荷までは約束したリードタイムを守り生産します。タオルは、完成品なるまで長い工程がありますが、一貫工場ですので同敷地内でタオルは完成します。但し、工場が管理出来ない「サンプル決定の遅れ」「副資材決定の遅れ」「輸送の遅れ」なども考慮して進めなければなりません。

本体のタオル以外の要素での遅れは、チームMD(クライアント+顧客+工場=三位一体)で管理してチェックし合い、無駄をなくす努力がすごく大事だと思います。

なかなか予測しずらい事も多くありますが、可能であれば余裕を持ったスケジューリングが安全と思います。

ギリギリのスケジュールに対応する程、信頼関係が重要だと認識しています。

経験豊かな、エムアイティ株式会社へご相談下さい。