②タオルのテクニック(手法)を決める

タオルの作り方10か条の「第2か条」は、作りたいタオルの「テクニック(手法)」を決めます。

タオルのテクニック(手法)は「3つ」、①ジャガードタオル、②プリントタオル、③カラータオルに分類出来ます。詳細をご説明します。

① ジャガードタオル

ジャガードタオルとは、タオルを構成する3本の糸(①パイル糸②地経糸③緯糸)をコンピューターで制御して、好きなデザインを表現するテクニックです。

(A) 先染ジャガード織り

ジャガードタオルで最も多く用いられる手法で、糸を先に染めてから製織します。毛違いジャガード織りと呼ばれ、タオルの表と裏がリバーシブルになります。このような順番で生産されます。

(B) 凹凸ジャガードタオル

凹凸ジャガードは、タオルに凹凸をつけて文字やデザインを表現する方法です。このタオルは、無地のタオルが多いです。ホテルのタオルなどで多く用いられる手法です。このような順番で生産されます。

(C) 無撚糸スチームシャーリングタオル

ジャガード織タオルの応用編ですが、無撚糸と普通糸を組み合わせて作るタオルで、「 無撚糸が凸」、「普通糸がシャーリングされ凹」となり 立体感があり、かつ「ふあふあ」なタオルを紹介します。 無撚糸スチームシャーリングと呼ばれ、このような順番で生産されます。

② プリントタオル

プリントタオルは、①スクリーンプリント②インクジェットプリントがあります。

スクリーンプリントは、色数分の型版を作成してフラットスクリーン捺染機を使ってプリントされます。捺染機の上に印刷する色数の型版を準備し、その下にあるベルトにタオルを貼り順番に移動してプリントを重ねていきます。スクリーンプリントは、染料プリント・顔料プリントどちらでも選べます。専用生地を作成しその上にプリントをのせます。それぞれの手法の良さを生かし、デザインやコストによって使い分けされます。

このような順番で生産されます。

インクジェットプリントは、インク粒子を飛ばして文字やイラストを描く方式です。ご家庭のインクジェットプリンターで年賀状を作成される方も多いと思いますが、その大型版でタオルをプリントすると考えるとイメージしやすいかもしれません。インクジェットプリントは、染料プリントしか対応しない工場がほとんどです。

インクジェットプリントしたタオルは高価ですが、とても綺麗で高級感がありますので、それを生かせるデザイン(色数も含め)を使用することをお勧めします。シルクプリントとメリット、デメリットを考え使い分けて下さい。

③ カラータオル

カラータオルとは、タオルを構成する3本の糸(①パイル糸②地経糸③緯糸)をを原糸のままで織り上げ、タオル生地にしてから染める手法です。

肌さわりの良い「糸の種類」を使ったり、吸水性の良い加工、抗菌防臭の加工などを使って差別化するタオルを追求することもあります。ブランドロゴやキャラクター柄などを表現するのに刺繍が施されることもあります。カラータオルは、このような順番で生産されます。

刺繍タオル

タオルの生地に直接刺繍してデザインを表現する手法です。

タオルに刺繍する刺繍機は、一度に10枚以上同じ柄の刺繍が打てる多頭式が主流です。ブランドやロゴやキャラクター柄などの表現に使用されます。刺繍が出来る面積に制約や大きすぎると固くなってしまうこと、そしてコスト高になってしまいますが、デザインを表現するには欠かせない手法のひとつであることは間違いありません。