2021年 日本のタオル 輸入国別推移

日本のタオルマーケットは、2021年の統計では、73,511トン(前年72,674トン)でした。前年対比をわずかに上回り、回復の兆しが出てきた感じですが、コロナの影響がまだまだあると言えるのは、コロナ前(2019年)対比は83.4%とV字回復にはなっていません。

日本のタオルマーケットは、2000年は113,106トン、2010年は100,611トン、2015年は91,527トンと若干マイナストレンドは続いていましたが、2020年と2021年が7万トン台になってしまったのは、過去にない大きな落ちこんだ年でした。コロナの影響をもろにかぶってしまった訳ですが、家の中で過ごす時間が多くなったのでタオルの需要は下がっていないと思います。大きく下がった要因は、業務用(ホテルや飲食店)、芸能関連(コンサート)、娯楽施設での販売(テーマパークや映画館など)、ギフトマーケット(販促用)などが大きく落ち込んだのではないかと推察します。

マーケットがシュリンクしたことから日本製タオルも輸入タオルも前年対比約80.0%と両方とも落ち込んでしまいました。日本製のタオルは、全体の約20%(2021年は19.1%)で、残りの約80%(2021年は80.9%)は海外で生産され、輸入されています。日本で流通するタオルの約8割は海外製ですが、ベトナム製と中国製のタオルだけで流通するタオルの約7割を占めています。

タオルの製造国(輸入先)を2015年~2021年までの推移表を作成しましたのでご覧ください。

2021年は中国製のタオルが1番に返り咲きました。2019年と2020年はベトナム製のタオルが中国製のタオルを抜いて輸入量が1番でしたが、中国製のタオルの回復が早かったようです。とは言え、コロナ前(2019年)対比は、86.1%とまだまだ回復したとは言えない状況が続いています。

2国間EPAを締結しているベトナムやタイ、インドネシアなどで生産されたタオルの輸入には、生産国で発給された原産地証明書(Certificate of origin)を提出することで特恵関税の適用を受ける事が出来ています。EPA特恵を適用する場合は、「2国間経済連携協定のEPA原産地証明書」を税関に申告し、「原産地基準」に見合った商品と認められれば、関税をゼロにすることが出来ます。

2021年までは、EPAを締結していない中国から輸入するタオルは、関税は7.4%(WTO協定)がかかっていましたが、中国製のタオルの輸入関税が「RCEPの発効」により下がっていくメリットが出てきました。2022年1月よりすでに関税のダウンは始まっており(7.4%→6.9%)、2022年4月には「6.9%→6.5%」に下がり、2036年に完全に撤廃されます。それまで段階的に下がっていくことになりました。

詳しくは、「RCEP発効」タオルの「対中国」輸入関税撤廃教えます!」をご参照ください。

2022年の輸入タオルは3重苦で苦しんでいます。

1.為替(円安)の進行

2.綿花の高騰

3.海上輸送費の高騰

こんな時だからこそ、「RCEPによる関税ダウン」をうまく使ってすこしでもコストダウンする事をお勧めします。

2022年タオル輸入国推移は、こちらをご覧ください。

2021年日本タオルマーケットの推移は、こちらをご覧ください。

2022年日本タオルマーケットの推移は、こちらをご覧ください。

2023年タオルマーケット推移(2024.2月リリース)最新版は、こちらをご覧ください。