2024年07月更新!外国為替相場推移表

  2023年、ドル円は日米の金融政策の影響を受け、大きな変動がありました。年初には127円22銭から始まり、11月13日には151円92銭まで上昇し、その後年末にかけて140円台前半まで下落しました。この1年間の値幅は2022年よりは少ないものの、2000年以降3番目に大きな動きとなりました。

 2024年については、日本銀行の数度に渡る介入を試みたもののの、虚しく円安が進行し、月初にはついに160円を超える水準に達しました。年末に向けて、どこまで円安になって行くのが心配になってきました。円安の主要な要因は金利差や経済政策、貿易収支などのマクロ経済的要因であり、これらが影響を与えているのだと思います。

 また、NISA制度の改正がにアメリカ向けの投資信託など海外への投資を促進し、円安を助長してしまっていないでしょうか。今後の市場動向から目が離せません。

 皆様もご承知の通り、海外で製造された商品を取引する場合、一般的には外国通貨が使用されます。為替相場(為替レート)とは、外国為替市場で異なる通貨同士が交換(売買)される際の交換比率を指します。我々が最も頻繁に目にする為替相場は円・米ドル相場ですが、そのほかにもさまざまな通貨同士の相場が存在します。商品の国際取引や世界経済の動向を理解する上で、為替相場の動きを把握することは非常に重要です。

 為替相場は日々変動しているため、仕入れ価格を計算する際にはそのレートを見ておかなければなりません。たった3年で円ドルレートは、TTS110円台からついに160円台まで円安に変動しました。

 例えば、外国で生産されたタオルを輸入する際には、1枚のタオルがUSドルで提示されるかもしれません。その時のレートで日本円に換算して仕入れ価格を計算しますが、実際の決済時に為替レートが変動することで、利益計算が大きく狂ってしまうことがあります。円安に振れると利益が減少することもあるため、為替の推移表をしっかり確認し、判断することが重要です。

まずは、日本円とUSドルの推移表をご覧ください。

3年間の日本円とUSドルの為替レート(TTS)の推移表(2024年07月01日更新)

 2023年の日本円とUSドルの相場を振り返ります。2023年の初めのレートは「132.01」でしたが、同年11月には最安値の「152.47」まで円安が進行しました。今年は日米の金利差が縮まるという予想もあり、多くの人が円高に期待を寄せていましたが、全く期待外れに進行しています。

 2024年は、ロシアとウクライナの戦争が泥沼化し、更にイスラエルとハマスの対立も長引いており、世界はますます不安定な状況が続いており、ドル高が止まりません。

 日本と米国の金利差が多少縮まっても、日本銀行の介入が行われても結果的には円安は進行し、今後介入を行なっても市場を動かせる力はなさそうです。

 7月1日、三菱UFJ銀行のTTS相場は、162.23円で、3年間で最安値です。

今後も為替の動向から目がはなせません。

 3年間の平均レートは「136.62円/USドル」でした。この3年間で円安と円高時の差が「約50.2%」ありました。直近約10年でみると日本円の価値は、ドルに対して約半分になってしまいました。為替って怖いですね。

3年間の中国元(RMB)とUSドルの推移表(2024年07月01日更新)

 中国は、不動産市場の低迷やゼロコロナ政策の影響で飲食、宿泊等の分野で多くの中堅・中小企業が倒産しました。その関連の雇用がフルに回復出来ておらず、また若年層の雇用悪化の影響などから個人消費も力強さを欠いています。2021年を境に40年続いた高度成長時代が終焉を迎え、経済の実態は厳しいようです。人々は政府の政策運営に対する期待もたかまらないために、力強い回復軌道に復帰するめどはまだ立っておらず、為替への影響も全く読めない状態です。

 2024年1月初めの相場は「7.15」でした。昨年の年初相場は「6.90」であり、現在は【元安・ドル高】の状況です。3年間のグラフを見ると、2022年3月には記録した「6.31」がこの期間の最高値であり、2022年11月の「7.32」はこの3年間の最安値となっています。

 今年の秋にアメリカの大統領選挙が行われますが、その後の相場動向を予測することはとても難しいです。

 中国工場で生産した場合、中国工場の見積通貨はUS$で契約することが多く、見積金額を決めるファクターとして大きくかかわってくるので、中国元とUSドルの為替レートも注意してみておく必要があります。

 とっておきの工場との価格交渉テクニックをひとつ紹介します。中国の工場にとって【元高】と【元安】は、どちらの方が良いと思いますか? 

 ズバリ【元安】です。

 どういう事かといいますと、元高は言い換えるとドル安で、元安はドル高です。代金はドルで支払われますので、入金額を自国通貨に換算すると元高より元安の方が金額が増えるからなんです。日本でもTOYOTA、為替が1円変わると営業利益が450億円増えるとか言われていますよね。同じ原理です。

 価格交渉の際には、為替レートの動向を参考にし、工場とよく相談して決断することが重要です。為替リスクを考慮して戦略を練ることで、企業の安定性や収益性を守ることができると思います。

3年間の中国元(RMB)と日本円の推移表(2024年07月01日更新)

 中国元と日本円の2023年の相場は、円ドル相場と同様に元高円安の傾向を示しました。グラフをご覧いただければわかる通り、この3年間は多少の波はありますが、一貫して【円安/元高】の方向に進んでいます。3年前の2021年2月から始まり、「16.24」だったレートは、2023年9月1日に「20.00」を突破し、今月初めに「22.11」まで円安が進み、この3年間の最安値を記録しました。円安がおさまりません。

 この3年間で円安と円高時の差が約30.7%ありました。簡単に言えば、1万円を中国元に両替した場合、2021年8月には「591元」でしたが、2024年7月現在は「452元」にしかならないということです。もう3割も減少してしまったことになります。

 日本円で受け取り、中国で生活する場合、このような為替変動は本当に厳しい状況になるでしょうね。

 日本円で貿易を決済する機会は少ないかもしれませんが、自国通貨の価値が貿易相手国に対してどの程度変動しているかを把握することは、重要だと考えます。出張中に日本円を中国元に両替する際に、為替レートの変動を感じることがありますが、統計的にその変動を記録することはなかなか難しいです。ですが、このようなデータは重要であり、参考にすることが有益だと思います。

 工場との価格交渉に一生懸命取り組んでも、為替の変動で利益が相殺されることがしばしばあるので、注意が必要ですね。最近の3年間を見ると、日本円と中国元の相場はほぼ同様に動いています。

 日本円を基準にしたUSドルと中国元(RMB)の推移表を作成しましたので、以下ご参照ください。