2023年の年初は円ドル相場は、130円を切る場面もあり少しほっとしていましたが、今年もこの時期に最安値のTTS150円代を記録しました。いよいよ年末に向けてさらに円安に振れていきそうな感じがしてきました。この先は、どうも円安が止まらないのでは?との心配は、もしかして当たりのような気がします。輸入業者の我々にとっては厳しい冬が目の前に広がっていますが、110円台に戻るような日は来そうもないですね。引き続き毎月追いかけてご報告いたします。
皆様もご承知の通り、タオルを海外で生産した場合、取引は一般的に外国の通貨が使用されます。
為替相場(為替レート)とは、外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率です。
わが国で最も頻繁に目にする為替相場は円・USドル相場ですが、そのほかにも様々な通貨の組み合わせに関する相場が存在します。
為替相場は日々変動していますので、そのレートを見て仕入れ価格を計算しなければなりません。たった3年前コロナショックで為替が大きく変動していたた2020年10月には円ドルレートがTTS105円台でしたが、2023年11月の頭は、TTS152.47を記録して、今年の最安値を更新しました。
振り返ってみます昨年2022年10月に32年ぶりに150円台記録して少し戻りましたが、またまた年末を控えて円安は加速してきました。販売の見積価格を計算する場合には、本当に気をつけないといけません。
タオルを外国で生産して輸入するとき、1枚のタオルがUSドルで提示されます。その時のレートで日本円へ換算して仕入れ価格を計算しますが、実際の決済時に為替レートが変動して利益計算が大きく狂ってしまうことがあり、円安に振れると利益が飛んでしまうこともありますので、推移表を見てしっかり判断してください。
まずは、日本円とUSドルの推移表をご覧ください。
3年間の日本円とUSドルの為替レート(TTS)の推移表(2023年11月01日更新)
2023年11月頭のTTSレート「152.47」でした。今年初めのレートが「132.01」で2023年は少し円高に振れてほしいと願ってきましたが、昨年の同時期に記録した円安に戻ってしまいました。3年間のスパンで見れば、レートの平均は「126.71」ですので、今現在のレートは、円安と言えると思います。
JPNUS.png?resize=800%2C600&ssl=1)
1年前の10月20日に32年ぶりで「150円」代を記録しました。今年の同時期にその最安値に追いついてしまいました。新型コロナは、世界的なパンデミックは終了したものの、ロシアとウクライナ戦争が泥沼化するなか、今度はイスラエルとハマスが戦争を始めて、世界がますます不安定な状態で2023年は年末を迎えようとしています。そして日本の将来も危ぶむ中、今後も為替の動向から目がはなせません。
3年間の平均レートは「126.71円/USドル」でした。この3年間で円安と円高時の差が「約46.5%」ありました。直近約10年でみると日本円の価値は、ドルに対して約半分になってしまいました。為替って怖いですね。
3年間の中国元(RMB)とUSドルの推移表(2023年11月01日更新)
2023年11月頭の相場は「7.31」でした。今年の年初相場は、「6.90」でしたので現在は【元安ドル高】です。3年間のグラフを見ていただけるとわかりますが、2022年3月に記録した「6.31」がこの3年間の最高値で、2022年11月の「7.32」はこの3年間の最安値になっています。今年の初めは「6.90」で始まりましたが、昨年の同時期と同様な【元安ドル高】に戻ってきました。ドルの一人勝ちの様相です。この11月は、元安をさらに更新しそうな感じです。
RMBUS-.png?resize=800%2C600&ssl=1)
中国工場で生産した場合、中国工場の見積通貨はUS$で契約することが多く、見積金額を決めるファクターとして大きくかかわってくるので、中国元とUSドルの為替レートも注意してみておく必要があります。
とっておきの工場との価格交渉テクニックをひとつ紹介します。
中国の工場にとって【元高】と【元安】は、どちらの方が良いと思いますか?
ズバリ【元安】です。
どういう事かといいますと、元高は言い換えるとドル安で、元安はドル高です。代金はドルで支払われますので、入金額を自国通貨に換算すると元高より元安の方が金額が増えるからなんです。日本でもTOYOTA、為替が1円変わると営業利益が450億円増えるとか言われていますよね。同じ原理です。
3年間の平均レートは「6.74」ですので、現在の相場「7.31」【元安/ドル高】が続いています。価格交渉の時は、粘り強く工場と相談して決めて下さい。
3年間の中国元(RMB)と日本円の推移表(2023年11月01日更新)
2023年11月頭のレートは「20.65」で、円安/元高です。グラフを見ていただければわかりますが、この3年間の推移は、2020年12月から月ずっと右肩上がりの【円安/元高】が続き、2022年10月には「20.88」と記憶にないほどの円安を経験しました。
2023年の年初は「18.90」まで下がり、一方的な元高はここで一服感が出てきた感じよ思いきや、最新の為替はレートは、「20.00」をさらに超えて「20.65」となり、11月は【円安/元高】の最高値を更新しそうな感じです。
RMBJPY.png?resize=800%2C600&ssl=1)
この3年間で円安と円高時の差が約34.5%位ありました。 びっくりですね。わかりやすく言いますと、1万円を中国元に両替した場合、2020年12月の時は「630元」でしたが、2023年11月には「484元」にしかならないという事です。約24%目減りしたことになります。日本で給料をもらって中国で生活していたら本当に厳しいと思います。
日本円で決済することは少ないと思いますが、自国の貨幣価値が貿易相手国に対してどの程度変動しているかを把握しておくことは、重要なことだと思います。出張して日本円を中国元に交換するときに為替レートの変動を感じますが、統計的になかなかとっていないことが多いと思いますので、是非参考にしてください。
一生懸命工場と価格交渉しても為替の変動で利益が帳消しされることが多々ありますので注意が必要と思います。
長く中国と商売していますが、こんな円安が続いた体験はありません。Good old daysにもどることを願うばかりですが、今の日本にそんな力があるのでしょうか、心配になります。
日本円を軸にした、USドルと中国元(RMB)の推移表はこちらをご覧ください。