日本のタオルマーケットは、2022年の統計は、77,781トン(前年73,511トン)でした。前年対比105.8%で4,270トン上回り、ようやく回復の兆しが出てきた感じですが、コロナ前(2019年 91,134トン)対比は85.3%(△13,353トン)とまだまだな感じです。
日本のタオルマーケットは、2000年は113,106トン、2010年は100,611トン、2015年は91,527トンと若干マイナストレンドは続いていましたが、2020年,2021年,2022年の3年間もが7万トン台になってしまったのは、過去にない大きく落ちこんだ3年間でした。2022年は少し回復したものの、まだ7万トン台と完全復活の手応えはありません。コロナの影響は、たくさんありましたが、家の中で過ごす時間が多くなったのでタオルの需要は下がっていないと思います。大きく下がった要因は、業務用(ホテルや飲食店)、芸能関連(コンサート)、娯楽施設での販売(テーマパークや映画館など)、ギフトマーケット(販促用)などが考えられます。日本のタオルのマーケットは、世界でも類を見ないギフトが大きくシェアを占めるので、自家需要だけで全体を判断してはいけないと思います。
2022年は、日本のタオルマーケットが105.8%と伸びたことから、日本製タオルは101.7%、輸入タオルは106.7%と前年対比を上回ることが出来ました。日本製のタオルは全体の18.4%で、海外製のタオルは全体の81.6%でした。日本で流通するタオルの約8割は海外製で、ベトナム製と中国製のタオルだけでタオルの76.2%を占めています。
タオルの製造国(輸入先)を2016年~2022年までの推移表を作成しましたのでご覧ください。
2022年はベトナム製のタオルが厘差ですが輸入量1番に返り咲きました。2021年は中国製のタオルが輸入量が1番でしたが、ベトナム製のタオルが前年対比115.0%と検討して返り咲きしました。とは言え、コロナ前(2019年)対比は、87.0%とまだまだ回復したとは言えない状況が続いています。
2国間EPAを締結しているベトナムやタイ、インドネシアなどで生産されたタオルの輸入には、生産国で発給された原産地証明書(Certificate of origin)を提出することで特恵関税の適用を受ける事が出来ています。EPA特恵を適用する場合は、「2国間経済連携協定のEPA原産地証明書」を税関に申告し、「原産地基準」に見合った商品と認められれば、関税をゼロにすることが出来ます。
2021年までは、EPAを締結していない中国から輸入するタオルは、関税は7.4%(WTO協定)がかかっていましたが、中国製のタオルの輸入関税が「RCEPの発効」により下がっていくメリットが出てきました。2022年1月よりすでに関税のダウンは始まっており(7.4%→6.9%)、2022年4月には「6.9%→6.5%」、2023年4月には「6.5%→6.0%」に下がり、2036年に完全に撤廃されます。それまで段階的に下がっていくことになりました。
詳しくは、「RCEP発効」タオルの「対中国」輸入関税撤廃教えます!」をご参照ください。
2022年の輸入タオルは3重苦で苦し見ました。
1.為替(円安)の進行
2.綿花の高騰
3.海上輸送費の高騰
こんな時だからこそ、「RCEPによる関税ダウン」をうまく使ってすこしでもコストダウンする事をお勧めします。
以下のデータもご参照ください。