そもそも RCEP(アールセップ)って?
RCEPとは「東アジア地域包括的経済連携協定」のことで、アジア太平洋地域では初めてのメガEPAです。
日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランドにASEAN諸国を加えた15カ国が参加している、自由貿易の協定です(RCEPとは「Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement」の頭文字をとった略称)。
関税の撤廃や削減をする事を通じて、自由に貿易出来る経済圏を作り、参加国はお互いに豊かになることを目指す取り組みです。
RCEPのすごいところは、参加国のGDPを合計してみると世界の約30%占めてます。人口も約22億人でこれも世界の約30%占め、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を上回る巨大な自由貿易圏なんです!
2022年1月1日に10か国が参加、同年2月1日に韓国が参加し、現在15か国中11か国が参加しています。
中国から輸入関税率は2022年1月1日より下がっています!
特筆すべきことは、RCEPは、日本にとって、中国、韓国との間で締結される初のEPA(経済連携協定)です。これまでASEAN各国などと2国間FTAなどが締結されてきましたが、ようやく「中国」「韓国」との協定がはじまりました。
ここは、タオル輸入高の高い「中国」に絞ってご説明したいと思います。
私の専門分野であるタオルでみますと、2022年1月よりすでに関税のダウンは始まっており(7.4%→6.9%)、2022年4月には「6.9%→6.5%」、2023年4月には「6.5%→6.0%」、2024年4月には、「6.0%→5.6%」に下がります。2036年に完全に撤廃されるまで、段階的に下がっていくことになります。
関税率は毎年下がり続け、タオルは2036年4月1日に関税が「ゼロ」になり、撤廃されます。
RCEPの税率を適用する為の手続き
RCEPの税率を適用する為には、他の連携協定同様、原産地基準と原産地規則が最重要となります。その上で輸出者がRCEP原産地証明書で所定機関の確認をうければ適用可能です。基本的にASEAN協定、日インドネシア、日タイと同様に、原産地証明書と品目別に原産地規則充足が必要となります。
RCEP協定資料は、こちら。
品目別規則は、こちら。
原産地証明書については、こちら。(3.項に記載)
詳しくは、輸出者(中国の生産工場)で原産地証明書が取得できるか、また輸入する業者に相談されるのが良いと思います。
JETROのアンケート調査では、2国間FTAを利用していない方がらっしゃるようです。手続きが煩雑やコストが高い点があげられていましたが、何より「FTAの制度や手続きを知らない」ことも理由でした。RCEPの制度・手続きの周知徹底の一役を担えれば幸いです。
MNF税率・RCEP税率・その他EPA税率等を比較してBestな税率を選択してください
RCEP協定税率が1番低い税率とは限りませんので要注意です。
調べ方として
①通常の適用税率(MNF税率)を調べる
②RCEP協定の現在の税率を調べる
③その他、2国間EPA等で適用されている税率を調べる
①と②と③の関税率を比較してBESTな税率を選んで輸入手続きをしてください。
例えば、タオルでは「ベトナム」「タイ」「インドネシア」からの輸入関税率は諸手続きを踏めば、すでに「FREE」です。RCEP協定税率の方が高いので、2国間のEPA税率を適用した方が良いですよね。
但し、「中国」「韓国」は初めてのEPA協定で「RCEP協定税率」は既に有効になっていますので、諸手続きを踏むことで、2024年の4月1日以降に「7.4%→5.6%」で輸入出来るようになりました。是非調べてご活用下さい!