③タオルの素材を決める

タオルの作り方10か条の「第3か条」は、作りたいタオルの「素材」を決めます。

タオルの素材には「繊維原料」を使用しますが、主に「綿」が使われます。

繊維原料は大別して「天然繊維」と「化学繊維」の2種類に分類されます。多くのタオルは「綿」を使用しますが、目的や用途によっては「綿以外」の素材も使われます。例えば、「麻」であったり「絹」などを使用して素材感の特徴出すものもありますが、最近は化学繊維の「ポリエステル」を使うタオルが増えています。

天然繊維の代表の「綿」について

天然繊維の「綿」は、精錬・漂白することにより吸水性と乾燥性に優れた素材となるため、タオルつくりには欠かせない素材となっています。綿の原料である「綿花」は世界で広く栽培されており、産地毎に特徴のある綿花が栽培され、「夕張メロン」のように綿産地が「ブランド」として確立されています。「海島綿」「エジプト綿」「新疆綿」などの高級綿(超長綿)を使って作ったタオルは「肌触りが良く」「吸水性が良く」「毛羽落ちが少なく」「長くその柔らかさが持続」することから、マニアにはたまらない一品になっています。これはタオル全体からみると一部のタオルのみ使用されたものですが、良いタオルを作りたいあなたに、綿について掘り下げて説明してみたいと思います。

アメリカの農務省のデータでは、19年度(19年8月~20年7月)時点で世界綿花収穫高は、1位インド・2位中国・3位アメリカの順になっています。中国で生産される綿花の約8割は、新疆綿がしめています。

超長綿の特徴は、綿花の繊維長が44m以上と長いので細番手(80番手より細い)の糸を紡績することが出来ます。その超長綿をタオル専用の糸にして作ったタオルは、差別化するにはすばらしい効果があります。(高価ですが、、、)

「超長綿」はそれぞれに生まれ持ったキャラクターがあり、究極なタオルを作る為に一長一短があります。超長綿の中にもたくさんの種類あり、その素材選びには腕の見せどころです。例えばエジプト綿(ギザ)は超長綿の中でも耐久性がすぐれていることでホテルのタオルに使われたりします。中国新疆146綿は、しなやかでソフトなタッチなので柔らかなタオルに使われたり、お客様のニーズで使い分けられています。

超長綿をタオル専用に中番手や太番手に紡績して使うことで、常識とは違う究極のタオルを作りに近づきます。

タオルのパイルに使われる糸の中心は、太番手から中番手の20番手、16番手、30番手です。

使われる原綿、産地を限定せずブレンドされることが多いです。綿にはそれぞれに特徴があり、染色性や硬さなど微妙に違いがあります。ブレンドすることで品質の均一化を図っています。

究極のタオルはもちろん素材だけでなく生産の工程でいろいろ工夫されていますが、これが正解というものはなく各工場でしのぎを削り切磋琢磨して、進化を続けています。

化学繊維の代表「ポリエステル」(マイクロファイバー)について

化学繊維代表の「ポリエステル」は、麻や綿に似せて開発された、石油を原料とする合成繊維です。製造技術の進化とともに、減量加工されたシルキーライクなポリエステル繊維が生産されるようになり、今日ではハイテク技術を応用した「マイクロファイバー(超極細繊維)」が主流になっています。

マイクロファイバー(超極細繊維)は、各種のハイテク技術を駆使して作られ、柔軟性や光沢に優れた繊維です。 一本の太さが髪の毛の1/100~1/300という大変細い繊維を束ねて糸にしますので、布の表面には繊維と繊維の間に無数の空間が出来ます。その細かな空間が驚異的な毛細管現象を起こして高い吸水性を発揮します。さらにナイロンを混紡して丸い断面をギザギザにすることで水分、汚れ、油分等を吸い取る素材になります。

繊維の力だけで汚れや油分などをきれいにしますので大変良心的で、洗剤やケミカルなどの使用量を減らすことが出来ますから環境にやさしい素材かも知れません。環境に優しいといえば、原料はポリエステルですので「ペットボトル」から作った「再生ポリエステル糸」を使用することで「エコタオル」を作ることが出来ます。

一方、化学繊維のマイクロファイバーは、熱に弱く乾燥機や熱消毒も出来ません。またナイロンを含んだマイクロファイバーの繊維はとがっている部分があり、漆塗りの食器など傷つきやすく、拭く際には注意して下さい。柔らかいからと赤ちゃんの肌をゴシゴシこすってもいけません。体を拭くときは肌を押さえるように水分をふき取りお肌を傷つけないでくださいね。

赤ちゃんやデリケートな肌をお持ちの方へおすすめは、やはり綿100%をお勧めします。オーガニックコットンタオルエコタオルなど吟味して下さい。