FOBとCFR(CNF・C&F)とCIFの違い

タオルを海外で生産する時、工場から見積を取る事から仕事は始まります。見積の取り方は「タオルの作り方10か条」に従って依頼すれば、驚くほど簡単に!正確に!見積をもらう事が出来ます。その時に知っておかねばならない、工場との取引条件を紹介したいと思います。貿易取引において重要なのは、「リスク管理」と「コスト管理」です。何の条件で契約すれば安全に安く輸入出来るか?使い分けることで輸入するタオルの価格を下げる事が出来ます。

タオルの貿易に良く使用される代表的な3種類の取引条件をご紹介します。

世界共通で使われている貿易条件で「FOB」「CFR」のように、アルファベット3文字で表される国際商業会議所(ICC)が貿易取引における費用負担・範囲などの取引条件を定めた国際規則がインコタームズ(Incoterms/International Commercial Terms)で、現在11種類の取引条件があります。

どのような時に?どのような国で?どのような工場で使い分けるか?ご紹介していきたいと思います。

① FOB(Free on board)本船渡し

FOBは、Free on boardの略で、輸出港で買い手(輸入者)の指定する船舶に貨物を積み込むことによって売主(輸出者)の引き渡し義務と危険負担の契約が完了し、海上輸送運賃及び保険料は買い手が負担する契約です。

インコタームズ(国際貿易取引条件)のうち、コンテナによる船積み貨物の引き渡しで良く使われる取引条件です。この条件は、指定船積み港の本船に貨物が乗せられた時点で売主(輸出者)の引き渡し義務が完了し、買主(輸入者)はその時点から貨物の一切の費用減失・損傷の危険を負担することになります。輸出通関手続きは、売主(輸出者)が行い費用も負担します。

海の上で何かが起こった場合は輸入者の責任になりますので、船社の選択や海上保険は輸入者が決定します。

②CFR(Cost & Freight) 運賃込み CNF or C&Fとも言います

CFRは、Cost & Freightの略で、一般的にはCNFとかC&Fで表記されています。輸出港で買い手(輸入者)の指定する船舶に貨物を積み込むことによって売主(輸出者)の引き渡し義務と危険負担の契約が完了するのは、FOBと同じですが、売主(輸出者)が指定仕向け港まで海上輸送運賃の費用を負担する契約です。保険料は買い手が負担します。

インコタームズ(国際貿易取引条件)ではCFRが正式名称ですが、実務においてはC&FあるいはCNFと表現されています。この条件は、指定船積み港の本船に貨物が乗せられた時点で売主(輸出者)の引き渡し義務が完了し、買主(輸入者)はその時点から貨物の一切の費用減失・損傷の危険を負担することになります。輸出通関手続きは、売主(輸出者)が行い費用も負担します。

船の運賃を輸出者が負担しますが、海の上で何かが起こった場合はFOB同様に輸入者の責任になりますので、船社の選択は輸出者とよく話し合って決めると安全です。海上保険は輸入者がかけます。

③CIF (Cost Insurance & Freight) 運賃保険料込み

CIFは、Cost Insurance & Freightの略です。輸出港で買い手(輸入者)の指定する船舶に貨物を積み込むことによって売主(輸出者)の引き渡し義務と危険負担の契約が完了するのはFOB・CFRと同じですが、売主(輸出者)が指定仕向け港まで海上輸送運賃と保険料の費用を負担します。

この条件は、指定船積み港の本船に貨物が乗せられた時点で売主(輸出者)の引き渡し義務が完了し、買主(輸入者)はその時点から貨物の一切の費用減失・損傷の危険を負担することになりますが、CIFにおいては売主(輸出者)は輸送中の貨物の滅失・損傷についての買主(輸入者)の危険に対して海上保険を負担します。輸出通関手続きは、売主(輸出者)が行い費用も負担します。

船の運賃と海上保険料を輸出者が負担しますが、海の上で何かが起こった場合はFOB同様に輸入者の責任になりますので、船社の選択と保険の内容は輸出者とよく話し合って決めると安全です。

インコタームズ11種類

念の為にインコタームズで決めらている11種類の取引条件をご紹介します。

日本の輸入については、海を挟むことになりますので、第2クループの契約が主体となります。

①FOB ②CFR(C&F、CNF) ③CIFの3つの中で選択されることが多くなると思います。