海外の工場へタオルを発注し、荷物が少量の時に「LCL(less than Container Load)」にするか、「FCL(Full Container Load)」にするか迷う時ってありますよね。
そんなときどっちで出荷したら良いか? 判断する時の参考になるデータをそろえてみました。
「12m3」がLCL/FCL 費用の分岐点ではないかと想像します
私の記憶では、輸送する段ボールの体積を計算して「12m3」あたりがLCLとFCLの輸送費の「分岐点」だった思います。20Fコンテナのサイズから割り出す理論上積載可能体積は「約32m3」ですが、実際積載可能は「約25m3」位と思います。「12m3」と言えば、実際積載可能容積の約半分でコンテナはガラガラですが、費用的にはFCL(専用コンテナ)で送った送った方がお得のようです。
但し、輸送費だけで判断してはいけません。
LCLとFCLは、輸出や輸入の輸送手順が違いますので輸送費以外にも「輸送のスピード」、「段ボールのダメージ」、「日本倉庫のデバン作業」も考慮しましょう。
「FCL(Full Container Load)」とは、一荷主がコンテナを占有して荷物を送る方法です。つまりあなた専用のコンテナを作って送りますので、コンテナのまま港から引きとりコンテナのまま倉庫まで運んで荷物を降ろすことになります。倉庫へそのデバン作業を依頼する事を忘れないように注意が必要です。
「LCL(less than Container Load)」は、あきらかに荷物が少ない場合やコンテナのまま輸入してもデバンする場所の確保が出来ない時に利用します。輸出の時も輸入の時もコンテナの積み下ろしは港の中で行われます。従いまして、日本で荷物は段ボールで受け取りますので、そのままトラックにのせて納品先へ直接配送することも出来ます。デメリットは、FCLに比べて通関のスピードが遅いことと段ボールへのダメージは多いことですが、荷物が少ない時は、LCLで輸入した方が輸送費は安く済むことがあります。
どの位の量まではLCLで輸入したらお得か知る為には、費用の構造を知る必要があります。
費用を分解してみますと、FCLは「コンテナ1本」に対してほとんどが固定費に対して、LCLは荷物の「m3」に対して費用は大きく変動します。つまりLCLは、荷物が増えるほど輸送費は比例して上がっていきますので要注意です。コンテナが満載にならないから、「LCL」で輸入したりするととても高い輸入費を払うことになってしまいますからこれから試算する「m3」を参考にして下さい。
コンテナはガラガラでもFCLの方が費用的にはお得の「m3」はどのあたりなのか?比較試算表を作成しみました。(細かな単価は変動しますので目安としてご利用下さい)
FCL・LCLコスト比較試算表(参考)
単価については、いつも変動していますので、あくまで参考値としての試算表でありますことをご了承下さい。
試算表を基に「12m3」の荷物をFCL・LCLでコスト比較してみました
私の経験値「12m3」が分岐点だったというのは、数字上(机上計算)では間違っていなかったようです。
あくまでも「机上計算」ですが、「12m3」では、「FCL」方が「LCL」より「10%以上」安くなりました。
試算表を基に「11m3」の荷物をFCL/LCLでコスト比較をしてみました
「11m3」で計算してみましたら、FCLとLCLがほぼ同額になりました。
この事から「11~12m3」位が費用の分岐点になるだろうと言えます。
コンテナで出荷しようか?FCLで出荷しようか迷った時の目安にして下さい。
但し、正解は「時価」で計算し、ご自分でご判断下さいませ。
「20m3」の荷物の費用比較は、LCLがFCLの約1.6倍高い計算になりました!
「20m3」は、20Fコンテナの理論積載可能m3「32m3」の約2/3ですが、FClでなくLCLで輸入した場合のコスト差を比較してみました。
なんと「FCL」の費用は「LCL」の約60%で済みます。つまりコンテナが満載(20m3)にならないからと言う理由だけで、「LCL」を選択して輸入すると、輸入費は「FCL」より約1.6倍高くなる計算になりました。
これは要注意ですよね。
輸入費用は、タオル代の一部です。これを教訓に輸送費を比較して、1円でも安くタオルを輸入して下さい!