パイル倍率の計算方法

タオルの善し悪しを決める要素はいろいろありますが、その中にパイルの大小があると思います。

それを数値化したのが「パイル倍率」です。

そもそも「パイル倍率」とは、パイル布地の単位長さ当たりの地経糸の使用量に対するパイル経糸の使用量の比率と定義されています。

タオルの織機は、「パイル経糸」ビームと「地経糸」ビーム2本を用意しますが、タオル織機では「地経糸」はテンションを強くピーンと張ります。「パイル経糸」はテンションを弱くたわませてパイルを作るため、たわんでパイルになった分「地経糸」より長くなります。「パイル経糸」の長さは「パイル地糸」の何倍の長さになるか?が「パイル倍率」であり、パイルの大きさを計る数値としても使用されます。

パイル倍率は、1枚のタオルで計算されるものですが、便宜的に実際のタオルを使ってパイル倍率を計算する方法もあります。一定単位長さ当たりの「地経糸」と同じ長さの「パイル経糸」を計って比較すれば「パイル倍率」を求める事が出来ます。

例えば起点を決め、地経糸の長さを10㎝で印をつけます。10㎝のところでパイル経糸をハサミで切りビューンとパイル経糸を伸ばします。伸ばしたところで起点からパイル経糸の長さを計測します。もし40㎝であれば「パイル倍率4倍」、65㎝であれば「パイル倍率6.5倍」となります。

パイルが大きタオルの方が糸の使用量が増えるわけですから高価なものになります。高価になりますが、その風合いがあなたが求めているタオルになっているかは微妙な問題です。

「パイル倍率」はタオルのスペックの一部で、風合いを決める他の要素に「素材」「織り方」「密度」や「加工方法」などがありますが、「パイル倍率」は風合いの決め手の大きな要素には間違いありません。

品質管理において「1枚当たりの重量」を保って生産されることは決まった「パイル倍率」で生産させることはとても重要な事でもあり、是非知識の中に入れて下さい。