B/L(Bill of Landing)とは「船荷証券」で、輸出者(売主）が荷物を輸出地の船会社に渡す時に発行されます。船会社が発行した時点で輸出者(売主）から輸入者(買主）に所有権が移転します。輸出者(売主）には荷物の受領証となり、輸入者(買主）は輸入地の船会社に提示しなければ荷物を受け取ることが出来ない重要な書類です。
B/L 原本（オリジナルB/L）の流れ
B/Lは、有価証券の性質を持つので「B/L原本(オリジナルB/L）」を使用することが貿易の基本になります。
B/L（船荷証券）は４つの役割を持ちます。
１．荷物の受取証 → 輸出者(売主）から船会社が荷物を受け取った証明になる
２．運送契約書 → 船会社と荷主の間での運送契約書類
３．有価証券 → 裏書によって転売が可能になる
４．荷物引取証 → 輸入者(買主）が輸入地で荷物を引き取るときに必要な書類
B/Lは、輸出地の船会社が発行し輸出者(売主）に渡され、輸出者(売主）は航空便でオリジナルB/Lを輸入者(買主）に送ります。輸入者(買主）は、受け取ったオリジナルB/Lを輸入地の船会社へ提示して荷物を受け取ります。
B/L原本（オリジナルB/L)のフローを書いてみました。(T/T送金時のフローです）
輸入者(買主）が輸入地で荷物を受け取るためには「B/L原本(オリジナルB/L）」が必要になる大事な書類です。
サレンダードB/L（元地回収B/L）の流れ
サレンダードB/L（Surrendered B/L）とは、元地で回収されたB/Lと言う意味で、輸入者(買主）はオリジナルB/LがなくてもサレンダードB/Lのコピーで荷物を受け取る事が出来ます。
元地回収とは、輸出者が発行されたオリジナルB/L全通に白地裏書を行い、輸出地(元地）の船会社に回収を依頼します。依頼を受けた船会社は、発行されたオリジナルB/Lすべてに「Surrendered」の印を押し、輸出者(売主)に原本のコピーを渡します。サレンダードされたB/Lは、そのコピーを輸入者(買主）にメールあるいはFAXで送付することで輸入者(買主）は、この書類のコピーで荷物の引換証として利用出来ます。
サレンダードB/L（Surrendered B/L)のフローを書いてみました。(T/T送金時のフローです）
中国から日本へのコンテナ船が高速化したことから、貨物は届いているがオリジナルB/Lの到着が遅れて荷物を引きとれない事態がしばしば発生しています。サレンダードB/Lを使うことで迅速に荷物を受け取ることが出来ます。
留意点としては、サレンダードB/Lは、有価証券性は消滅してしまう為、L/Cなど銀行経由での取引で担保価値がなくなることで認めないところもあるようです。便利なやりかたですが、良く確認して使用して下さい。