日本で使われているタオルの約81.6%は海外製だってご存じでしょうか? 2022年の最新データによれば、日本製のタオルは全体の18.4%でした。日本製のタオルを代表する今治タオルは、全体の約11.0%でした。
今治タオル工業組合のデータから、1997年~2022年の推移表を作成してみました。
日本のタオルマーケットの統計は、すべて重さで管理されています。
2022年に流通したタオルは、77,781トンでした(タオルケットを除く)。重さではピンとこないのでフェイスタオルに換算してみると、アバウト9億枚位になるのでしょうか。概算ですが、結構たくさんのタオルが使われていますね。
歴史を振り返って見ますと、海外製のタオルが日本製のタオルを上回ったのが、2000年でした。ここが節目となり、その後海外製が増えて日本製は減り続け、2006年から現在まで多少の増減はありますが、全体の80%(4/5)が海外製、20%(1/5)が日本製で定着しています。
2022年の日本のマーケットの推移は、2021年度を上回りましたが(105.8%)、コロナ前(2019年)対比85.3%と完全復活するまでにはもう少し時間がかかりそうです。
全体に占めるタオルの輸入比率は「81.6%」で、国産比率は「18.4%」でした。
重量ベースで総需要が伸びましたが、「約7万7千トン」止まりでした。内訳は、輸入タオルは「約6万3千トン」、日本製タオルは「約1万4千トン」でした。輸入量としては、昨年を上回りましたが(106.8%)、約20年前の2001年の水準まで下がってしまっています。日本製につきましても、昨年を少し上回りましたが(101.7%)、歴代ワースト3の生産量でした。日本製の中の今治生産タオルは106.5%と健闘しましたが、コロナ前(2019年)対比では78.8%でした。
日本人が世界で一番タオルが好きな国民ではないかと言われており、家の中で過ごす時間が多くなったことからタオルの需要は下がっていないと想像します。回復が遅れている要因は、業務用(ホテルや飲食店)、芸能関連(コンサート)、娯楽施設での販売(テーマパークや映画館など)、ギフトマーケット(販促用含む)などが大きく落ち込んだことが原因で、まだその需要は完全回復していないと推察します。
日本人は、やわらかでふかふかのタオルがお好きですよね。これは日本の匠の技で開発されたものですが、時代の流れで海外でもたくさん作られています。円安・綿花高・輸送コスト高のトリプルパンチで苦しんだ2022年でした。トリプルパンチは、海外製だけでなく日本製のタオルにも大きな影響がありました。
タオルの原価構成比を分析すると、原料代(綿糸)に占める割合が高く、日本では綿花が作れないのでほぼ全量を輸入で調達しています。その為、日本製のタオルも円安・原料高の影響を受け、綿花代や油や電気代が高騰したために製造価格は上がってしまいました。
海外のどこの国で生産されているかに興味のある方は、こちらをご参照下さい。
日本経済が回復し、元のマーケット水準に戻ってほしいと節に願っています。
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